
「ボジョレー・ヌーボー」を口にしたことがなくても、耳にしたことのある人は多いのではないでしょう。
現在は11月の第3木曜日、ボジョレー・ヌーボーの解禁日となっています。
ワイン好きが心待ちにするワインのお祭りと言ってもいいイベントの日です。
ボジョレー・ヌーボーは9月に収穫されたブドウを使って、短期間で仕込んだワインです。どうしてこんなに注目されるのでしょうか。
今回は、ボジョレー・ヌーボーの歴史や製法など基礎知識と産地であるボジョレー地区についてご紹介します。また、おすすめ銘柄も紹介します。
ボジョレー・ヌーボーとは?

ボジョレーとはフランス・ブルゴーニュ地方にある地区の名称です。ヌーボーはフランス語で「新しいこと」「新しいもの」という意味です。その名が示すとおり、ボジョレー・ヌーボーとは、「ボジョレー地区の新酒」という意味になります。
ボジョレーで9月ごろに収穫されたブドウをわずか2カ月で仕込むために、果実由来の強いフレッシュな味わいとなります。ボジョレー地区で栽培されるブドウ品種は、渋味の少ないガメイ種になります。
使用されるブドウ品種がガメイ種のみと決められている点も特長です。
軽いワインものからしっかりした飲みごたえのものまで、生産者によってボジョレー・ヌーボーにもさまざまな味わいのものがあります。
なお、ボジョレーワインの定義は、フランス独自の認定方式である「Appellation d’Origine Controlee(アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)」で細かく規定されています。2008年にヨーロッパのワイン法が改訂され、「AOP(Appelation d’Origin Protegee)」と表記されることもあります。
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ボージョレ・ヌーボーに解禁日がある理由

現在では11月の第3木曜日が解禁日となっていますが、過去には日付が決まっていたこともあります。
そもそも、ボジョレー・ヌーボーは収穫祭で地元の人々が楽しむための地酒でした。それが評判を呼び、各ワイナリーはどこよりも早く販売しようと質の良くないワインまで出荷し始めました。
このような混乱を規制するため、フランス政府は1967年に解禁日を設定したといわれます。
過去にさかのぼると、当初は11月11日が解禁日でした。
ワインの守護聖人とされる聖マルティヌス(サン・マルタン)の日であり、ボジョレー地区で最も早く収穫されたブドウからワインが完成する時期だったからです。ところがその後、聖マルティヌス(サン・マルタン)の日ではなくなり、11月11日から一番近い別の聖人、聖サン・タルベールの日である11月15日に変更されます。
しかし、解禁日を日付で決めると年によって曜日が変わり、ワインショップやレストランなどが営業していない日曜日に当たる年が発生しました。
これではせっかくのボージョレ・ヌーボーの売れ行きが年によって大きく差が出てしまいます。
そこで、この問題を解決すべく1984年にフランス政府がボージョレ・ヌーボーの解禁日を「毎年、11月の第3木曜日」として設定したのです。
なぜ、ボジョレー・ヌーボーは注目される?

ボジョレー・ヌーボーが毎年注目されるのは、その年のブドウの出来栄えの指標になるからです。
新酒のボジョレー・ヌーボーでブドウの出来がわかり、ブドウの出来はワインの味わいにも直結します。
そのため、ボジョレー・ヌーボーがおいしいと、その年のワインの出来にも期待ができるからです。
ボジョレー・ヌーボーの醸造方法

「マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸潤法)」という独特な製造方法で ボジョレー・ヌーボーは造られます。
通常のワインの醸造方法は収穫したブドウを潰して発酵させますが、この醸造方法ではブドウを潰さずにそのままタンクに入れます。つぶさなくとも、タンクに入れられたブドウは上に乗ったブドウの重みで下部の層が少しずつつぶれていきます。
そうしてタンク下部に溜まった果汁は自然発酵を起こすため、自然発酵によって炭酸ガスが発生し、密閉されたタンクの中に充満されます。
炭酸ガス雰囲気となったタンク内では、上部の潰れていないブドウ果実のリンゴ酸が酵素により分解され、アルコールなどが生成されます。
このとき、ブドウの果皮から色が溶け出し、ボジョレー特有のルビーのような若々しく鮮やかな赤い色となります。
バナナのような甘い香り、フレッシュな果実味に加え、渋味や酸味が抑えられた飲みやすい味わいになります。
ボジョレー・ヌーボーのおいしい飲み方は?

新種のボジョレー・ヌーボーは、鮮度を味わうのが必須です。
そのため、一般的には解禁から数カ月以内で飲むことで、フレッシュさとおいしさをもっとも味わえます。
また、通常の赤ワインと異なり、もともと渋味がほとんどなくフレッシュさを味わうために少し冷やしたほうがボジョレー・ヌーボー本来の味が引き立ちます。
1時間くらい冷蔵庫で冷やして10~12℃が飲み頃の目安といわれています。さらに、やや口の狭いグラスで飲めば、豊かな香りも一緒に楽しめます。
フルーティーな味わいのボジョレーは魚料理や素材の味わいがいかされたシンプルな料理などで、カルパッチョやサラダ、オードブルなどにも合います。
また、解禁日ぐらいの時期から食べたくなるお鍋料理にも口当たりがさっぱりしているのでおすすめです!
ワインの産地 ボジョレーとは
ボジョレーは、フランスが誇るブルゴーニュワインの産地の一つです。
新酒のヌーボーだけでなく、熟成タイプのワインも醸造しています。
ボジョレー地区とは
パリの東南に位置する、ブドウ畑が96の村に及ぶ広大な地域でブルゴーニュ地方の最南部にある丘陵地帯です。黒ブドウのガメイ種と相性が良い花崗岩質の土壌であり、ボジョレーはガメイ種から造られています。
ボジョレーのワインの種類は
ボジョレーではガメイ種の赤ワインを中心に、シャルドネ種の白ワインやロゼワインも造られています。
ボジョレーのワインは、3種類に分類されます。
<ボジョレー>
スタンダードなボジョレーヌーボーは、ボジョレー全域で醸造されたワインのこと。果実の風味が豊かでフレッシュな赤ワインです。独自のAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ:原産地呼称統制)があり、この地域内で作られたガメイ種を使用していれば、ボジョレーと名乗ることができます。表記としては文頭にワイナリーの名前がきて、最後に年数が表記されます。
値段もお手頃で、手に入れやすいワインです。
<ボジョレー・ヴィラージュ>
ボジョレー地区の限定された地域で作られたブドウを使用したワインです。AOCボジョレーのうち同エリアの北部に位置する38の村がボジョレー・ヴィラージュを名乗れます。
ヴィラージュ(Villages)はフランス語で村を意味し、ラベルに「Villages」と記載して、生産地の村名でワインを販売しています。
無記名のボジョレーよりもアルコール度数や糖度に細かな規定が設けられており、より高品質として知られているのが特徴。一般的なボジョレーヌーボーよりも凝縮感があり、総じて味わいに力強さがあると評されています。
ボジョレー・ヴィラージュでも新酒のヌーボーが造られ、同日に解禁されますがボジョレーよりも値段が高くなります。
<クリュ・デュ・ボジョレー>

ボジョレー地区で特に良質なブドウを生産するクリュ(畑)から生まれるワインが、クリュ・デュ・ボジョレーです。
ボジョレーよりも質の高い多くのワインが造られます。その代わり、新酒のヌーボーは造られていません。
AOCボジョレーのうち10の村がクリュ・デュ・ボジョレーと名乗れます。
1 サン・タムール (St. Amour)
2 シェナ (Chenas)
3 ジュリエナ (Julienas)
4 シルーブル (Chiroubles)
5 ブルイィ (Brouilly)
6 コート・ド・ブルイィ (Cote de Brouilly)
7 フルーリー (Fleurie)
8 ムーラン・ア・ヴァン (Moulin a Vent)
9 モルゴン (Morgon)
10 レニエ (Regnie)
サン・タムール:「愛の聖人」という意味の名を持つ村のワインです。若飲みタイプと熟成タイプ、どちらのワインも造られています。
ムーラン・ア・ヴァン:「風車」という意味の名を持つ村のワインです。絶妙なバランスを持つ高品質なワインが造られます。
フルーリー:「花」という意味の名を持つ村のワインです。名前の通り、花や果実の香りが豊かなフルーティな味わいです。
中でも有名な村です。
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まとめ
解禁日が待ち遠しい!ボジョレー・ヌーボー!
毎年、11月の第3木曜日の解禁日を多くの人が待ちわびています。
渋味が少なく、フレッシュでフルーティなボジョレー・ヌーボーは、初心者でも楽しめるワインです。また、ワイン通にはその年のブルゴーニュワインの出来を知る上での優良な指標となります。
生産者ごとのこだわりにより、様々な味が楽しめます。その年のブドウの本来のフレッシュさをぜひボージョレ・ヌーボーで味わってみてください。
まだボジョレー・ヌーボーを飲んだことがない人は、一度味わってみてください。


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