シェリー酒とは?作られる主な産地や美味しさが際立つ飲み方を紹介

近年ふつふつと人気が高まっているシェリー酒。
日本においてやや馴染みの薄いお酒のため、「名前は知っているけど、どんなお酒かは分からない」という人も多いでしょう。
一体シェリー酒とはどんなお酒なのか、産地や美味しい飲み方などをまとめました。

シェリー酒とは?

シェリー酒には極甘口から辛口まで様々なタイプがあり、味わいの特徴をまとめられない難しさがあります。


そのため良く知らない人はビールやウイスキーといったお酒のジャンルだと思いがちですが、実は白ワインの一種なのです。
ブルゴーニュやボルドーと同じく、シェリーと呼ばれるワインだと覚えておきましょう。

シェリーはスペインのアンダルシア州とその周辺で生産されるもののみが名乗ることを許されたお酒です。シェリーは英語名で、スペイン語では「ビノ・デ・ヘレス」といいます。

さらにワインの中でも酒精強化ワインと分類されており、ポルトガルのポートワインとマデイラワインと並ぶ世界3大酒精強化ワインと呼ばれています。

酒精強化ワインとは、製造する際に別途アルコールを添加して度数を高めて造るワインで、添加アルコールにはブランデーが使われるのが一般的です。一般的なワインよりもアルコール度数が高いのが由来です。

また樽内の上部に空間を持たせて熟成し、アルコールを加えることで完成するため、ナッツのように香ばしい味わいやドライな味わいに仕上がります。

度数はどのくらい?

シェリーは製造過程でブランデーを加えて作り上げるため、一般的なワインよりもアルコール度数が高いのが特徴です。通常のワインはアルコール度数12〜15%ほどですが、シェリーは15〜22%となります。

同等なアルコール醸造のお酒としては、日本酒の多くが15%前後、焼酎が20〜25%になります。

シェリー酒の主な産地は?

シェリー酒の産地は、スペインの南西部に位置するアンダルシア地方にあるエル・プエルト・デ・サンタ・マリアをはじめとした3つの街で、通称シェリー・トライアングルと呼ばれています。


この3つの街で製造されたもの以外は、シェリーと名乗ることができません
しかも原料となるブドウも地元で収穫したものに限定されています。


とはいえシェリー・トライアングルはブドウの育成期に雨が降りにくく、ブドウの栽培が難しい乾燥した気候が特徴です。
そのため保水力の高いアルバリサという植物を利用し、土壌に潤いを与えています。
珍しい栽培方法を採用しているのも、シェリー酒に特別なイメージを持つ所以でしょう。

美味しさが際立つ飲み方

シェリー酒の基本的な飲み方といえば、やっぱりストレートでしょう。
もともとは食前酒として飲まれていたお酒ですが、ワインの仲間なので白用のワイングラスに注いで飲むのがおすすめです。


小さなグラスだと香りを楽しみにくいので、ワイングラスが無い場合はなるべく大きめのグラスに注いでください。


またカクテルのベースとして使われることも多いです。
氷を入れたグラスにシェリー酒とソーダ水を1対2の割合で注ぎ、最後にミントを添えれば、すっきりとした味わいのレブヒートというカクテルが出来上がります。


自宅でも簡単に作れるうえにアルコールの強さを感じにくいため、シェリー酒が初めての人でも美味しく飲めるでしょう。

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シェリー酒の種類

ビノ・へネロソ

ビノ・ヘネロソは辛口好きの方におすすめしたいシェリー酒です。シェリー酒に使われる3種類のブドウのうち、パロミノ種を原料に使用し、発酵を完了させるため辛口のシェリー酒に仕上がります。

ビノ・ヘネロソのシェリー酒のなかにも種類があり、「フィノ」「マンサニーリャ」「アモンティリャード」「オロロソ」「パロ・コルタド」の5つに分類されます。

ビノ・ドゥルセ・ナトゥラル

ビノ・ドゥルセ・ナトゥラルは、甘口好きな方にお勧めのシェリー酒です。モスカテル種かペドロ・ヒメネス種という甘い品種のブドウを過熟するか、天日干ししたモストを使って造られています。発酵を途中で止めてブドウの甘さを残すため完全な甘口となります。

ビノ・ドゥルセ・ナトゥラルには、原料に採用しているブドウの名称と同じく「ペドロ・ヒメネス」と「モスカテル」という2種類のシェリー酒が存在。どちらも濃厚な甘さを楽しめるので、甘口のお酒が好きな方やスイーツ好きの方におすすめです。

ビノ・へネロソ・デ・リコール

辛口の「ビノ・へネロソ」と甘口の「ビノ・ドゥルセ・ナトゥラル」をブレンドして造られたシェリー酒が、「ビノ・へネロソ・デ・リコール」です。ブレンドする比率によって甘さが変化するので、好きな甘さのシェリー酒を探して楽しめます。

ベースとなるのは辛口シェリー酒の”フィノ” ”アモンティリャード” ”オロロソ”で、そこに甘口シェリー酒や濃縮精留果汁を加えて味のバランスを変えます。”フィノ”をベースにすると「ペール・クリーム」、”アモンティリャード”がベースだと「ミディアム」、”オロロソ”をベースにすると「クリーム」というシェリー酒になります。

シェリー酒のおすすめ銘柄

◆ウイリアム・ハンバート・コレクション ドン・ソイロ・アモンティリャード

産膜酵母下で8年以上熟成させたのち、4年もの酸化熟成を経て生み出されたシェリー酒。
パロミノ種のブドウを原料に使用、ビノ・へネロソです。長期熟成による芳醇な香りときりっとした辛口が特徴。
辛さのなかに、ローストされた芳ばしさやほのかな甘さ、さらに酸味が複雑に絡み合う1本です。

◆ボデガス・イダルゴ・ ラ・ヒターナ アモンティリャード・ナポレオン

皇帝ナポレオンがラベルに描かれており、高級感とインパクトとを与えるシェリー酒。
8年間熟成させ、パロミノ種のブドウを原料に使用したアモンティリャードです。
美しい琥珀色、ヘーゼルナッツを彷彿させる芳ばし香りが広がるのが特徴。辛口のドライな味わいのため、幅広い食事と合わせて楽しむのにおすすめの1本です。

◆ボデガス・イダルゴ・ ラ・ヒターナ ペドロヒメネス・トゥリアナ

ペドロ・ヒメネス種のブドウを原料に使用し、原料を数日間かけて天日干した平均熟成15年の甘口シェリー酒。
レーズンなどを彷彿させる濃厚な果実香が漂い、長期熟成による芳醇で豊かな甘みが特徴。
アルコール度数が15%と低めで、初心者の方や強いお酒が苦手な方でも飲みやすい1本です。

◆ボデガス・イダルゴ・ ラ・ヒターナ オロロソ・ファラオン

オロロソとはスペイン語で「高い香り」を意味し、豊かな風味が楽しめるシェリー酒。
パロミノ種のブドウを原料に使用し、クルミを思わせる芳醇な香りが広がるのが特徴。
濃い琥珀色、膨らみのある奥深い味わいと豊かでふくよかなオロロソの香りで辛を味わい方にお勧めの1本です。

◆ボデガス・イダルゴ・ ラ・ヒターナ マンサニージャ・ラ・ヒターナ

スペイン南部の自治州にある港町「サンルーカル・デ・バラメダ」でのみ製造されているシェリー酒。原料にはパロミノ種のブドウを使用したビノ・ヘネロソです。ライトな口当たりで、辛口のスッキリした味わいと、フレッシュでフルーティなリンゴの香りが広がります。
アルコール度数は15%と低め。強いお酒が苦手な方でも飲みやすく、価格も安いため、初心者の方が気軽に楽しむのにもおすすめです。

◆ボデガス・イダルゴ・ ラ・ヒターナ ペール・クリーム・イダルゴ

フィノをベースにモスカテル種のブドウ果汁をブレンドしたペール・クリーム。
美しい琥珀色で甘めの味わいとアーモンドのような芳ばしく漂う香りが特徴です。
焼き菓子や新鮮なフルーツなどのスイーツと味わうのにおすすめの1本です。

◆ゴンザレス・ビアス アモンティリャード デル・デューク

「デル・デューク」はスペイン語で「公爵」の意味、高貴なアモンティリャード公爵という名のシェリー酒です。熟成にはソレラシステムという独特な方法を採用し、アメリカンオーク樽で30年以上貯蔵しています。重厚な深いコクとしっかりとした骨格のある味わいの辛口な1本です。

◆ゴンザレス・ビアス エレガンテ

パロミノ種のブドウを原料に100%使用した、辛口のフィノです。
辛口ながら、まろやかな味わいとスパイシーで芳醇な香りと、スッキリとした風味が特徴です。
アルコール度数が15%と低めで、価格も安いのも魅力です。魚介類との相性がよいため、シーフードを用いた料理と一緒に味わうのにもおすすめの1本です。

◆ゴンザレス・ビアス ノエ

30年にわたり長期熟成し、深いコクと深い甘みが堪能できる高級シェリー酒。
原料のペドロ・ヒメネス種の収穫時期をあえて遅らせて、日に当てることにより糖分を高め、凝縮された強い甘さが特徴。
優雅で甘い香り、ほのかなウッディな風味、とろけるように滑らかな口当たりが特徴。
濃厚な甘さと心地よい酸味を持ち、食後酒としてゆったりと味わうのにおすすめの1本です。

◆バルデスピノ イザベラ クリーム

アメリカンオーク樽で17年以上の熟成し、まろやかな口当たりと甘みが楽しめるシェリー酒。
オロロソをベースに原料にはパロミノ種75%とペドロ・ヒメネス種25%をブレンドしたクリームシェリーです。
長期熟成による、コク深い甘さと濃厚な果実の風味が特徴。また、価格も比較的安いため、初心者の方でも気軽にコク深いシェリー酒を味わえる1本です。

◆エミリオ・ルスタウ デラックス クリーム カパタス・アンドレス

オロロソがベースのクリームシェリー。パロミノ種とペドロ・ヒメネス種を使用してブレンドし、アルコール度数が20%と高めです。レーズンやイチジクのような完熟した濃厚な甘さがあり、フルーティで芳醇な風味がと特徴。
スイーツやフルーツと一緒に味わうのにおすすめの1本です。

◆バロン ミカエラ ミディアム

ペドロ・ヒメネスをブレンドした中甘口で、ミディアムタイプのシェリー酒です。
ドライフルーツなどの果実を思わせる香りと、コクと程よい甘さを伴っているのが特徴。
アルコール度数は15%と低めで飲みやすく、ライトで繊細な香りとほのかな甘みが楽しめる、食後酒におすすめの1本です。

ベルモットとの違い

ベルモットはシェリーと同じように、白ワインをベースにしたお酒です。両酒ともに同じ種類の「甘味果実酒」に分類されます。ベルモットは白ワインをベースに、ニガヨモギ、ナツメグ、コリアンダーをはじめとした10~20種類のハーブやスパイスを配合し、香り付けられたフレーバードワインです。

シェリーもベルモットも葡萄を樽で発酵させる過程までは同じですが、ベルモットはハーブやスパイスで香りが付け、熟成するため、シェリーとは香り、味わいともに大きく異なります。

なおベルモットにはスイートとドライの2種類があり、それぞれ香りや味が大きく異なります。

👉ベルモットの特徴や種類とは?気になる度数やスイート・ドライの違い

まとめ

スペインの限られた素材と産地でしか名乗れないシェリー酒は、日本人とも馴染みが深い白ワインの一種です。
ストレートで飲むのが一般的ですが極甘口から辛口まで様々なタイプがあるので、好みの飲み方を探してみるのも面白いでしょう。


アルコールっぽさが苦手な人は、ぜひカクテルのベースとして使ってみてください。

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