
多くの人が1度は味わったことのあるジンは、キリッとした味のカクテルのベースとしても使われています。
しかし名前は知っていても、どんなお酒かを説明できる人はなかなかいません。
多くの人に愛されるジンの特徴や分類を分かりやすく解説していきます。
ジンはどんなお酒?
ジンは、ウォッカ、テキーラ、ラムと並ぶ、世界4大スピリッツに数えられるお酒です。
「スピリッツ」とは、醸造酒からアルコール分を蒸溜して造られる蒸溜酒のことで、その製法により醸造酒よりもアルコール度数が高くなります。
ジンの原料

ジンはトウモロコシや大麦なの穀物を原材料とした蒸留酒のこと。「ジュニパーベリー」をはじめとする、さまざまなハーブや果物の皮などのボタニカルで風味を付けたお酒です。
「ボタニカル」とは、香草や薬草類の総称のこと。ジンにはジュニパーベリーをメインに数十種類の多彩なボタニカルが使われ、メーカーや製造地域によってさまざまな香りや味わいを楽しめるのが魅力です。
ジンの歴史
起源には諸説ありますが、ジンもともとは飲んでたのしむお酒でなく、薬用酒でした。
1660年ごろ、 医学教授であるシルヴィウス博士が アジアなど植民地における熱病対策に利尿剤として製造したもの。 利尿・解熱効果のある薬草として知られていたジュニパー・ベリーをアルコールに浸した後に、蒸溜して製造したことが普及のきっかけに。ジュニパーベリーのフランス語である「ジュニエーブル」の名で広く認知されるようになりましたが、そのさわやかな飲み口から、薬用としてよりも、むしろ新しい味わいのお酒として人気を博したようです。
のちの、1689年の名誉革命に際し、オランダ貴族であったウィリアム三世がイングランド国王として即位したのを機に、ジュニエーブルがイギリスへ伝わり、「ジン」と短縮された名で爆発的な人気を獲得。 当時のジンは、雑味のあるグレーン・スピリッツに砂糖を加えた甘口のものでした。19世紀になって連続式蒸溜機が登場すると、現在のような雑味の少ない辛口の「ロンドン・ドライジン」へと洗練されていきました。現在、世界で「ジン」と呼ばれているお酒は、そのほとんどが英国風のドライ・ジンです。
一方で、ジンの母国であるオランダでも独自の発展を遂げます。「ジュネバ」あるいは「オランダ・ジン」と呼ばれ、ドライ・ジンとはまた異なる味わいで親しまれ、ジンの2大潮流となっています。
ジンの定義

ジンとして2つの定義があり、 ①ジュニパーベリーをメインのフレーバーとして使用していること ②アルコール度数が37.5%以上であること 2008年にEUで制定された法律「EU Spirit Drink Regulations」で定められています。
ちなみに、ジュニパーベリーとは「セイヨウネズ」と呼ばれる針葉樹の実のこと。イチゴやラズベリーなどほかのベリー系のフルーツとは異なり、ハーバルでさわやかな香りにスパイシーさを備えているのが特徴で、ジンの個性的な風味を生み出しています。
ジンの度数はどのくらい?
ジンのアルコール度数は、一般的に40%前後。蒸留後にどのくらい水を足すかによって度合いが変わります。低いモノで40%未満、高いモノで50%を超えるものなど銘柄によって幅広く準備されています。
なお、ビールは5%程度、日本酒やワインは15%程度、焼酎でも25%程度とほかのお酒と比べてアルコール度数が高いので、ジンを飲むときにはゆっくりと楽しみましょう。
『HOLON』は、”ととのえる”時間に寄り添うクラフトジンブランドです。
ストレスや疲れを抱えやすい現代人にやさしい東洋のハーブやスパイスなど9種類のボタニカルを調合。
心と身体の調和をテーマに、その味わいを保ったまま口あたりのよさを引き出すため、ジンとしては低アルコールである約35度ほどに仕上げており、炭酸水などで割るとアルコール度数およそ5~7%ほどから楽しめるのが特長です。
ドライ・ジンとは
世界中で最もスタンダードなジンとして愛されているドライ・ジンは、イギリスを発祥地としています。
天然ボタニカルだけを使用しており、蒸留後に香料や着色料などの添加物を加えていないのが特徴です。
連続式蒸留器で蒸留されたニュートラルスピリッツを使うため純度が高く、柑橘系の爽やかな風味を楽しめます。
カクテルのベースとして採用されることが多く、知らないうちに口にしている人も多いかもしれません。

ジュネバとは
オランダで生まれたジンの原型とも言える種類で、イェネーフェルやダッチ・ジュネバなどの様々な呼び方があります。
原料の風味を最小限に抑えるドライ・ジンとは違い、穀物の風味を生かしているのが特徴です。
そのため連続式蒸留ではなく単式蒸留器を使用しています。
キリッとした風味だけでなく穀物そのものの甘みもあり、ストレートで楽しむのが一般的です。
その他のジンの分類
ドライ・ジンとジュネバが主流ではあるものの、その他にも個性溢れる種類があります。
そのうちの1つがドイツのシュタインハーゲン村で生まれた、「シュタインヘーガー」です。
発酵したジュニパーベリーを単式蒸留器で蒸留し、グレーンスピリッツを追加して再蒸留しているため、ドライ・ジンよりもシンプルな香味を持っているでしょう。
味わいはドライジンとジュネヴァの中間に位置するともいわれており、甘い香りにマイルドな口当たりで飲みやすいのが魅力。本場ドイツでは、ショットグラスに注ぎストレートで飲むのが主流です。
◆シュリヒテ(shlichte) シュタインヘーガー
ドイツ屈指のジンブランド「シュリヒテ」が造るシュタインヘーガー。
大麦ベースのグレーンスピリッツにイタリア産のジュニパーベリーなど、数種類のボタニカルをブレンドして、甘くマイルドな味わいが特徴。アルコール度数38%と低めで飲みやすく、シュタインヘーガーの入門酒としておすすめの1本です。
また、「オールド・トム・ジン」は連続式蒸留が生まれる前にイギリスで製造されており、ドライ・ジンにサトウキビや砂糖からできたスピリッツを加えています。
現在は、ドライジンに2%程度の砂糖を加えたり、サトウキビ由来のスピリッツをブレンドしたりして仕上げられています。ジンの中でも特に甘みが強く、ジン初心者の方や辛口が苦手な方でも飲みやすくお勧めです。甘いカクテルのベースとも好相性です。
◆ヘルノ(Herno) オールド・トム・ジン
2012年に創業したスウェーデン初のジン専門蒸溜所、「ヘルノ」が手がけるオールド・トム・ジン。
ハンガリー産やブルガリア産のコリアンダーやジュニパーベリーなど選りすぐりのオーガニック素材を使用し、甘い香りを持つメドウスイートもブレンド。少量の砂糖を加水後に加えることで、香りと甘みのバランスが良いのが特徴。
クセが少なく飲みやすいので、ジン初心者の方にもおすすめの1本です。
おすすめのドライジン銘柄8選
◆ビーフィーター(BEEFEATER) ロンドン ドライジン 40度
1820年のブランド創業以来、伝統のオリジナルレシピとノウハウを守り続ける,ロンドン生まれのドライジン。
ロンドン塔を守る近衛兵「ビーフィーター」のイラストラベルが印象的。現在もロンドン市内で蒸留されているこだわりの銘柄です。
9種類のボタニカルが織りなすさわやかな柑橘香に、キレのあるクリアな味わいが特徴。
アルコール度数は40%と飲みやすく、リーズナブルでコストパフォーマンスもよく、カクテルのベースにぴったりの1本です。
◆ タンカレー(Tanqueray) ロンドン ドライジン
1830年にロンドンで創業した老舗ブランド「タンカレー」を代表するドライジンです。
世界でわずか6人しか知らない秘蔵のレシピをもとに、「今までにない高品質のジンを造る」という信念のもと造られています。
厳選されたボタニカルを使用し、4回蒸留にこだわり、180年以上変わらない味を守り続けています。
ボトルデザインはカクテルシェーカーをモチーフにしており、クセの少ない洗練された味わいは、ストレートやロックがおすすめです。
◆ シップスミス(SIPSMITH) ロンドンドライジン
10種類の世界中から厳選された上質なボタニカルをブレンドした、本格的なドライジンです。
華やかに広がる複雑なニュアンスのアロマが特徴。ドライジンの豊かな味わいや風味を引き立たせる、ドライマティーニやジントニックといったカクテルベースにぴったりです。
口に含むと、フローラルな香りが漂い、スパイスを伴った柑橘系のフレッシュな風味、さらに酸味があるフルーティさも感じられます。力強い豊かな味わいや風味を引き立たせる正統派、刺激的な味わいを求めている方におすすめの1本です。
◆ ボンベイ・サファイア(BOMBAY SAPPHIRE) プレミアムジン
「ヴェイパー・インフュージョン製法」と呼ばれる蒸留方法を採用し、鮮やかなブルーボトルが美しく映えるドライジンです。
10種類の世界中から厳選されたボタニカルを使用し、独自の風味を生み出しています。
ジントニックなどシンプルなカクテルにぴったり。また、キーマカレーなどスパイスを効かせた料理とも相性抜群です。
◆ ゴードン(GORDON’S) ロンドン ドライジン 43%
1769年の創業で世界ではじめてジントニックを生み出したとされる老舗「ゴードン」のドライジンです。
250年以上守り続けるレシピをもとに、重厚感のある味わいでアルコール度数43%の力強い辛口タイプ。
ジュニパーベリー由来のウッディーな香りと爽快な後味で、食前・食中・食後とさまざまなシーンで楽しめます。
◆ プリマス・ジン(PLYMOUTH GIN)
現在イギリスで稼動している最古の歴史を持つジン蒸留所ブランド「プリマス」のドライジンです。
口に含んだ際の、ジュニパーベリーの華やかな香りとクリーミーさ、ほのかな甘みとコクを併せ持つフルボディの味わいが魅力。
最古のカクテルレシピ本といわれる「サヴォイ・カクテルブック」でメイン銘柄指定され、ドライマティーニのオリジナルレシピに使われたジンとする逸話もあります。
アルコール度数は41.2%で、クセが少なく飲みやすいのでジン初心者の入門酒としてもおすすめの1本です。
◆ マスター・オブ・モルト(Master of Malt) バスタブ・ジン
数々のコンペティションで世界一の称号を獲得している「バスタブ・ジン」。
ジュニパーベリーをベースに、グレーンスピリッツとボタニカルが織りなすクリーミーで深みとフルーティさがと特徴。
おしゃれなボトルデザイン、より紐とクラフト紙、ワックスを用いて1本ずつ手作業で仕上げられています。
グレーンスピリッツにボタニカルを浸透させ、再蒸留せずに少量生産されているプレミアムな1本です。
◆ ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド(Berry Bros. & Rudd) No.3 ロンドン ドライジン
イギリスの名門ワイン・スピリッツ商である「ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド」のプレミアムなドライジンです。
厳選した6種類のボタニカルをバランスよくブレンドし、圧倒的な存在感を放つジュニパーベリーに個々のボタニカルが心地よく調和した、豊かな香りが立ち上がります。
ボトルデザインは深緑色に応接室のカギを施し印象的で、製品名は同メーカーのオフィスとショップの住所「セント・ジェームス街3番地」に由来したもの。王道のジンを探している方におすすめの1本です。
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まとめ
マイナーなお酒と思われやすいジンですが、意外にもシンプルで分かりやすいことがお分かりいただけましたか?
ボタニカルのスッキリとした風味が心地よく、分類によってその強さが異なります。
近年のクラフトジンブームを背景に、その人気は広がりを増し、カクテルベースとしてはもちろん、ストレートやロックでもたのしんでほしいお酒です。
特徴が分かれば美味しい飲み方も予想できるため、ぜひお気に入りの1本を探してみてください。


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